世界の主要食料輸出国は、中国が新型コロナウイルスの検査を名目に導入した輸入食品の監視制度へ不満を強め、こうした仕組みを中止するよう求めている。
中国は、ドイツからの豚肉やブラジルからの牛肉、インドからの魚介など20カ国の包装加工品で新型コロナウイルスが検出されたと主張している。
ジュネーブ駐在のある通商関係者によると、今月5─6日に開催された世界貿易機関(WTO)の会合では、カナダがこうした意見を表明した。
この関係者によると、カナダは中国が検査措置を正当化する科学的根拠を示していないと主張。
米政府も今月、中国に対して二国間ルートならびにWTOを通じて、輸入製品の監視で実際のリスクを適切に評価する態勢を確保するよう要望したと発表。
ところが、その後も中国は輸入食品の監視を強化する一方だ。
中国が冷蔵・冷凍輸入食品の新型コロナウイルス検査を開始したのは今年6月。
世界保健機関(WHO)の見解では、食品や包装部分がウイルスの感染経路だとは判明していない。 |